【デジタル円】って何?ザックリ解説

日本銀行は『デジタル円』の実証実験を始めています。

中国が『デジタル人民元』の実用化に向けて動きを加速する中、日本もヨーロッパやアメリカとともに、研究を急ぐ構えです。

たっく

今や世の中なんでも『デジタル化』だね

ついに紙幣や硬貨もデジタルにしようという話やな

目次

デジタル円とは?

デジタル円とは、民間企業が発行している電子マネーやブロックチェーンと呼ばれる技術を活用した仮想通貨とは違い、中央銀行の責任で発行する通貨です。

日銀がお金を、紙幣や硬貨ではなく電子データの形にして発行します。

インターネットなどを通じて使用できて、現金と同じ価値を持ち、お金のやりとりの記録が電子上で残るのが特徴です。

メリット

  • 利用者が支払いや海外送金を簡単にできるようになる。
  • 脱税や偽造などの犯罪行為を抑制することができる。

デメリット

  • サイバー攻撃で、資金が盗まれたり、利用者の個人情報などのデータが流出する可能性。

デジタル円を研究する必要性は?

社会のデジタル化で通貨の利便性向上が求められている

  • 新型コロナウイルスの影響で『非接触型の決済』、『中央銀行発行の信頼できるデジタル通貨』に関心が高まる。
  • 世界各国、特に、中国が『デジタル通貨』の研究を急いでいて、5万人に『デジタル人民元』を配り、街角での実験を始めた。
  • 中国がデジタル人民元を国内外に広め、個人のカネの動きを監視し、そこから得られるビッグデータの独占を懸念。
  • 中国が世界の通貨覇権を握ろうとしているのではないか?との警戒感。
  • 経済安全保障の観点からもデジタル円の検討が急務。
さっく

今現在、デジタル人民元の普及率は0.1%程度だそうです

※2022年12月末時点 日本経済新聞より

日銀が示す『デジタル円』の考え方

デジタル円と現金の共存

  • デジタル円を発行しても、すぐに現金を廃止するわけではなく、現金もデジタル円も並行して両方使えるようにする。
  • セキュリティの面から、現金からデジタル円に一気に切り替えるには危険がある。
  • 最初は、1人が使えるデジタル円に上限額を設けて、段階的な導入をはかる考え。

誰でも使える通貨にする

  • デジタル円は現金と同じなので、子供からお年寄りまで、スマートフォンを持っていなくても使えるなど、安心して使える仕組みが必要。
  • 国内で広く使われているICカードなどを国民に配布するというアイディアもある。

民間との役割分担

  • 日本では、民間企業の発行する交通系ICカードや、電子マネーが普及している。日銀がデジタル円を発行して、他は一切いらない、となれば、民間企業が影響をうけてしまう。
  • デジタル円があれば、「銀行口座は必要ない」と利用者が現金を引きあげたりすれば、銀行は大きなダメージをうける。
  • 日銀はデジタル円を発行しても、現金と同じように、銀行などを通して、個人や企業に流通させる『間接型』のしくみを考えている。
さっく

現金と民間企業とのバランス取りが難しそう

デジタル円』は実現するか?

『デジタル円』の安全性に欠かせない事とは

  • 財産や個人情報を守ることが可能な技術や仕組みを、実証実験を通じて検証する必要がありデジタル円が流出したり、盗まれたりすることを防止する。
  • お金のやり取りをはじめとする個人情報のデータが、政府に勝手に閲覧されたり、第3者に悪用されたりしないよう、国民的な議論をしてルールを作る。

海外の動きをどう見るか

  • 中国のデジタル人民元発行に向けた準備など、 ヨーロッパは中国への警戒感から、『デジタルユーロ』を発行するかどうかを判断する方針。
  • 慎重だったアメリカが、途中から日銀やヨーロッパとの共同研究に加わったのも、危機感が高まっているあらわれ。
  • 中国に先行され、ノウハウの蓄積をもとに、この分野の主導権を握られるのを警戒。
さっく

世界各国で研究が進んでます

たっく

通貨の形も遅かれ早かれ、変革を迫られるな~

イノベーションのジレンマ

注意点は、日本が『イノベーションのジレンマに陥らないようにすること。

イノベーションのジレンマとは、現状に大きな問題がないため、小さな変化に対応せず気づくのが遅れ、時代の変化に取り残されてしまうというもの。

例えば、写真フィルムからデジタル写真に移行したとき、当初フィルム側は画質的に『デジタル恐るるに足らず』でしたが、それはプリントアウトが前提です。

携帯電話が普及し、『写メ』をきかっけに一気にフィルムからデジタルへ移行しました。プリントアウトは基本的に必要なくなったのです。

日本は、現金決済の利用が多く、現状に問題はありませんが、なにもしなければ世界的な変化の流れから取り残されるかもしれません。

さっく

日本は造幣技術が高いから、現金の信用は今も厚いよね

たっく

それが足かせになって、世界の流れに乗り遅れるかもしれん

さっく

変化を恐れず柔軟に対応してほしい!

たっく

研究を加速して備えなあかんな!

※参考にさせて頂いた主なサイト

NHK時論公論ホームページ▶https://www.nhk.jp/p/ts/4V23PRP3YR/

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