裁判員に選ばれたらどうしよう?不安なあなたへ、さっくの【裁判員裁判】体験談

裁判員裁判の通知が来た!裁判員に選ばれたらどうしよう?自分にできるのかな?と不安なあなたへ。

裁判員を経験したさっくが、ザックリお話しします。

結論から申し上げますと、大丈夫!みなさん出来ます!です。

目次

2023年さっくは、裁判員に選ばれました

ある日、自宅に裁判所から封書が届きました(前年11月頃)

最初ビックリしましたね~、なんか悪い事したかなぁって(笑)。封書は裁判員候補者名簿に登録されたとの通知でした。え~!って感じです。

裁判員裁判が始まったのは2009年で、始まった当初は友達の間で話題になり、実際、選ばれたら貴重な体験になるから参加したいね!と話していました。

さっく

もうすっかり忘れてました~

でもまだ名簿に登録されただけ。送付されてきた調査票(辞退事由に該当しているか等をたずねるもの)を記入し返送しました。

その後、裁判所から呼び出しが!

裁判員裁判のことをすっかり忘れていたある日、裁判所から呼び出しの通知(呼出状)がきました。

たっく

ゲゲッ!って感じですわ(笑)

まだ選ばれた訳ではありませんが、「選ばれたらどうしよう」と不安を覚えながら、送付されてきた質問票を記入し返送しました。会社に事情を話して、その日は早上がりにしてもらいました。

呼出日、当日(選任手続期日)

人生で初めての裁判所という事で、少し緊張しながら裁判所に向かいました。約60人ぐらいの方々が招集されていました。一人ひとり番号が割り振られ、席に着きます。

そして今回、扱う事件の説明、担当する裁判官、検察官、弁護人の紹介などがあり、事前のアンケートで面談が必要な方は個別で面談しました。(この時は5名)

これが終わると、パソコンの抽選ソフトで最終的に裁判員6名、補充裁判員2名が選ばれるとのことで、画面をじっと凝視していました。なんか不思議と選ばれる予感が……。

さっく

予感的中~!(笑)

早速、法廷にご案内

裁判員に選ばれた人はすぐに招集。エレベーターに乗り、法廷へ移動しました。傍聴席に座らされ、あらためて裁判官等の紹介、事件についての補足説明の後、宣誓文を渡され全員で読み上げ、署名します。

その後、法廷の中を見学後、自分の席(さっくは正面から見て一番左端でした。なんかすごく緊張しました~)に座り、事務担当の方(?)から今後の説明があり、解散となりました。

服装の事が気になり、やっぱりスーツでないとダメかなと思い聞いてみた所、私服でいいとの事でした。

さっく

ホントにいいのかなと思い、二度聞いちゃいました

すぐに会社へメールを送り、仕事の調整を頼みました。とにかく不安でした。

そして裁判(審理)が始まりました

さっくの日程は12日間でした。取り扱う事件によって日数は変わるそうで、その裁判所では最長2ヶ月間の裁判員裁判があったそうです。

たっく

ヒョエ~!そりゃ大変

時間は審理中は9:30集合、17:00まで。審理が終わり評議が始まると10:00集合、17:00までとなります。(審理や評議が予定より早く進めば、早く終る時がありました)休みは土日、1日だけ水曜日休みがありました。

1日目

いよいよ当日となりました。集合場所は選任手続きと同じ場所(評議室となります)でした。自分の名札のある席に着席し、全員そろった所で簡単な自己紹介をしました。

さっくは、初日なので、裁判官から裁判についての話や判決までの流れの説明なんかをして終わるのかなぁと、勝手に思っていましたが……

部屋に設置ある電話が鳴り……裁判官でて『ハイ、わかりました』と返事。そして『じゃ、行きましょうか』

えっ?と思ったら、裁判長が先に部屋から出でいき、その後、二人の裁判官と共に二手に分かれてエレベーターで法廷裏へ移動しました。

そして大きな扉の前に全員が揃った所で、裁判官が電話(全員が揃った事を伝える)をし、『では行きましょう』と扉を開きました。そこには……

大勢の傍聴人、記者、検察官、弁護人、被告人、刑務官、全員が起立して待っていました。圧倒されてしまい、一気に緊張がMAXに!突然テレビドラマの法廷シーンの中に入ってしまった感じです。一礼をしてから着席し、審理が始まりました。

さっく

いきなりかよ~って感じです

審理は以下の順で行われました。(正確ではないかもしれません。ザックリ見て下さい)

  • 人定質問(本人確認)
  • 起訴状朗読
  • 黙秘権告知
  • 罪状認否(被告人の主張)
  • 証拠調べ手続き
  • 検察官の冒頭陳述(意見)
  • 弁護人の冒頭陳述(意見)
  • 証拠書類の取調べ
  • 検察官請求証拠
  • 捜査報告書
  • 供述調書

こうして審理が始まった訳ですが、裁判官と並んで、裁判に参加してるなんてなんか不思議な感じでしたね~。

印象に残ったのは、被害にあわれた方の供述調書の朗読です。事件の被害者の方の心境はなかなか報じられません。

特に精神的な部分は時間がたっても、癒えない方がいらっしゃる事を知り、加害者に厳罰を求めるのも当然だと思いました。

あとは、捜査報告書の朗読です。かなりの量の報告書で大変そうでしたし、その報告書の緻密さにも感心しました。

裁判員には1つファイルが渡されます。それに資料、メモ用紙などを綴じておきます。(メモは自由にとっていい)裁判終了後、ファイルに綴じてあるものは裁判所で破棄処分となります。

さっく

初日はあっという間でした~、でも怒涛の初日をなんとか終えることが出来ました。

2~8日目

審理は以下のような事が行われました。(ザックリ見て下さい)

  • 証人尋問
  • 被告人質問
  • 裁判所・検察官・弁護人からの質問
  • 証人尋問(情状証人)
  • 弁論手続
  • 検察官の論告求刑(意見)
  • 弁護人の弁論(意見)
  • 最終陳述(被告人、最後の主張)

裁判員は証人や被告人に直接質問することができます。でもさすがにハードルが高いので、質問したい人は裁判官に頼んで質問してもらいます。(直接質問する方もいらっしゃると思います)

不謹慎ですが、審理を重ねると、法廷にも慣れてきて周りを見る余裕ができます。特に傍聴席にはいろんな方々が来るので、つい見てしまいます。ちょっと怪しげなカップルや、いびきをかいて裁判長に怒られる人とかいましたね(笑)。

評 議

審理が終わり、評議が始まりました。今回の評議は4日間設けられていました。どのような事を話し合うかというと。ザックリですが以下のような感じです。

  • 犯罪事実を認定できるか
  • 議論
  • 量刑について
  • 投票

①は、証拠を元に犯罪事実を認定できるかを議論します。

②は、裁判官と共に事件について様々な角度から議論します。さっくの時はアンケート形式で全員の意見を取り、それを元に議論するパターンもありました。

③は、これまでの裁判員裁判のデータベース(このデータベースは裁判官、検察官、弁護人が利用できるそうです)を元に、量刑の傾向を探ります。

④は、量刑を投票(補充裁判員を除く9名)で決定します。方法は具体的には説明しませんが、1回の投票で決まります。

量刑決定後、判決文が作成されます。

多くの方の裁判員に対する不安は、ちゃんと議論ができるのか?だと思います。でも、大丈夫。大事なのは、自分がどう思ったかを自分の言葉で話すことです。うまく話そうとしなくてもいいんです。

今回担当してくださった裁判官の方々は、とても気さくで、どんな質問にも丁寧に答えてくれました。言葉に詰まった時などは、3人の裁判官の方々がフォローしてくれます。だからそんなに不安になる事はありません。

判決宣告

いよいよ判決当日となりました。判決文が全員に渡され、裁判長が朗読し、全員で確認します。修正があれば修正し、その後、宣告版が渡されます。

最後の法廷は、判決という事もあり大勢の記者・傍聴人が来ていました。裁判長が判決文を朗読している間、さっくは被告人の顔をじっと見つめながら、みんなで出した答えは本当にこれでよかったのか?と、考えながらその時間を過ごしました。

裁判が終わり評議室に戻った後、一人ひとり今回の裁判員裁判の感想を述べました。裁判所からの感謝状を受け取り、最後に裁判長のお話の後、解散となりました。

こうして、裁判員裁判を終えました。無事にやり遂げる事ができて安心しました~。

さっく

一緒に参加した皆さんに感謝です。

裁判員裁判を終えて

今回、裁判員をやってよかったと思うことは、裁判を最初から最後まで『体感』できた事です。

裁判というと、ニュースなどでよく見聞きするせいか身近に感じますが、実際、裁判がどのように行われ、判決が決まるのか詳しくは分かりません。

情報だけならネットでいくらでも調べられますが、体感する事により理解が深まりました。裁判を理解するのにこれ以上のものはないと思います。

実際に裁判員に選ばれる確率をネットで調べてみた所、1年間で8000人に1人程度、一生では120人に1人程度だそうで、まわりの友達、職場などでも裁判員に選ばれた(通知が来た)という話は聞いたことがありません。

さっく

つまり誰もが経験できるものではないよ!

たっく

人生において大きな経験の一つになるで!

しかし、メリットだけではありません。働いている方ですと職場の協力が必要ですし、ある程度の精神的、肉体的な負担もあります。(裁判が終わるまでは、頭のどこかで事件の事をずっと考えてたりします)

それでも、裁判員裁判に参加する機会があれば、ぜひ参加して頂きたいと思います。それだけの価値がこの制度にあると感じました。

TOPIC  裁判員制度の施行から15年

重大な刑事裁判に市民が参加する裁判員制度の施行から2024年5月21日で15年を迎えました。

全国で約12万4千人が裁判員や補充裁判員を経験し、9割超の人々が参加して『非常に良かった』、『良かった』と最高裁のアンケートで回答しています。

刑事裁判への参加が、貴重な経験となっていることは間違いありません。

一方、明確になってきた課題もあります。

公判前整理手続きの長期化

公判前整理手続きとは、裁判所と検察官、弁護人の法曹三者が事前に争点や証拠を絞り込むものです。

裁判員裁判対象事件では必ず行う公判前整理手続きの平均期間は、開始初年の2.8カ月から2022年は11.5カ月、23年は11.1カ月、24年(2月末まで)は12.5カ月と格段に延びました。

公判での審理日数の増加

初公判から判決公判までの平均実質審理期間(土日祝日を含む)は開始初年の3.7日から22年は17.5日、23年は14.9日と大幅に増えています。

さっく

日数が長いと仕事もあるので大変でした……

裁判員制度導入の狙いの一つに、長期化していた刑事裁判の迅速化があります。

長期化の主な原因は、綿密な捜査や取り調べによる大量の調書を証拠提出し、裁判官が時間をかけて吟味する『精密司法』にあるとされました。

このため裁判員制度では調書など証拠類を必要最小限に絞り込み、法廷での供述や証言を重視する『核心司法』への転換が図られています。

制度の開始当初は、公判前整理手続きや審理期間は短縮されましたが、その後の状況は、公判手続きの『粗さ』を省みた法曹三者による揺り戻しが起きたとみられます。

公判前整理手続きが長引けば被告の身柄拘束も長期間となりかねません。

また、審理の長期化は裁判員の辞退率の上昇を招く恐れがあります。

たっく

裁判員制度を持続させるためにも改善を期待したいな

さっく

私たちも、どうしたら参加しやすくなるか考えたいですね

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