ヨーロッパの自動車メーカー EV戦略に暗雲 日本は?

ヨーロッパの自動車メーカーで、EV(電気自動車)戦略を見直す動きが相次いでいます。

ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンは創業以来、初めて国内工場の閉鎖を検討している事を明らかにしました。

背景に何があるのでしょうか。

その事についてザックリお話しします。

目次

フォルクスワーゲンの動き

フォルクスワーゲンは、ドイツ最大の自動車メーカーで、世界最大手の一角ですが、特に大衆車メーカーとして大きな存在感があります。

2030年までにヨーロッパで販売する車の7割をEVへシフトする計画でした。

しかし、今回お膝元のドイツで工場を閉鎖せざるを得ない状況になり、抜本的な事業構造改革を迫られることになりました。

フォルクスワーゲンをはじめ、ヨーロッパ勢はEVシフトに積極的であったのも関わらず、思い通りにいっていないのが現状です。

さっく

なんでこんな事に……

主な背景としては、世界の自動車市場において中国メーカーの台頭が想定以上に早く進んでいる事があげられます。

特にフォルクスワーゲンの最大の敵は、中国のBYD。このメーカーを中心としたした中国勢です。

中国の国内を見てみると、景気悪化で自動車市場の需給が緩んでいる事から、半ば投げ売りのような形で輸出を積極化させ、大量のEVを世界中で販売するようになりました。

たっく

コスト競争力の高い車でシェアを奪っている状況やな

これまでドイツやアメリカでは、EVがガソリン車より高くても、経済的に余裕のある層がEVを買っていました。

しかし、それらの層にEVが行き渡り、ドイツ国内の景気悪化もあって割安で経済性の高い車を求める層がEVを買うかどうかのタイミングになっています。

そういった中で、中国勢が安値攻勢を仕掛けてフォルクスワーゲンの顧客を奪い、ついには工場閉鎖にまで追い込み、雇用まで奪われる状況となってしまった。

他のメーカーの動きはどうか

他にボルボメルセデスもEV戦略の見直しが起きています。

いずれの2社も2030年までに販売する車を全てEVにする計画でしたが、撤回しました。

たっく

この発表聞いた時、ホンマにできるんかと思ったな

両メーカーは、高級車メーカーですが中国勢はこういった高級車ブランドに対抗できるEVも売り始めています。

例えば、スマートフォンの最大手の一つであるシャオミですが、2024年3月、EV市場に参入しました。

発売したモデルのうち最も高いモデルは、ポルシェの旗艦モデルを上回る性能を持ちながら、半額で発売されました。

さっく

半額って……

中国勢が、質が良くて安いEVを出し始めるといった流れがこの一年で急速に強まってきています。

これがヨーロッパのメーカーに大きな逆風になっている。

中国勢の強さの背景

中国は電池資源を囲い込んでいることに強みがあります。

中国の自動車産業は、電池部材の加工において世界の9割のシェアがあり、

電池資源のリチウムやコバルトといったレアメタルの産地にも支配力を持っています。

EVの最も大きいコストを占める電池を安く調達できることで、安値競争を仕掛けられる。

たっく

内製能力があるのは中国の強みやな

一方、ヨーロッパ勢とその他の国は、比較的高い値段で電池を調達しなければならない。

ここに大きなコスト競争力の格差が生まれています。

日本メーカーへの影響と活路

日本メーカーにとっても今回、ヨーロッパで起きている事は対岸の火事ではありません。

日本メーカーは、中国勢の攻勢が始まってない北米市場で収益を上げており、傷はまだ浅いですが、

中国、アセアンでは日本メーカーの人員削減や工場閉鎖が始まっています。

今後は、日本車のシェアが高いグローバルサウスと呼ばれる、新興国市場で中国メーカーの攻勢が始まっているので、状況を注視したい所。

たっく

早く手を打たんといかんな

日本メーカーの活路

さっく

量より質を重視!

たっく

日本独自の強みを生かしたEVを作る!

日本製電池の安全性

世界で中国・韓国製の電池を搭載したEVが火災を起こす事故が頻発しています。

さっく

日本製は起きていません

こうした電池の安全性を付加価値として、EVの売値に反映することで安値攻勢に対抗できるのではないか。

小型車、軽自動車

小型車、特に日本独自規格の軽自動車。こうした小さい車でコスト競争力を発揮する。

海外でも日本の小型車や軽自動車の耐久性や走行性の高さが評価されています。

EVの小型化は資源を輸入する日本にとって、電池資源の有効活用になりえます。

例えば、軽自動車のEVを官民上げて国際規格化することで、日本らしいEVを世界に販売できるのではないか。

選択肢の多さ

世界的みてEVシフトは着実に進んでいます。しかしながら、充電ステーションの不足や補助金の見直し、物価上昇などで販売は鈍化しています。

その中で、日本の電気・ハイブリッド・燃料電池・プラグインハイブリッドなど、豊富なエコカーの選択肢を世界の消費者に提示して収益を上げる事ができるのではないか。

さっく

さっくは全個体電池の開発に期待してます!

たっく

製造技術やコスト面が解決できれば、EV化が一気に進むかも

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次