放任上司
なんやそれ?
パワハラだと指摘されてしまう事を恐れるあまり、部下に何も言えなくなり、部下に指示したりダメ出しをする意思疎通をあえて避ける上司をいうそうです。
現在、職場の問題として認識されるようになりました。
防御型上司、回避型上司などとも呼ばれるそうです。
その事についてザックリお話しします。
パワハラで辞職した人数
人事や労働市場などについて調査・研究を行っているパーソル総合研究所が
職場のハラスメントについての定量調査で2021年、ハラスメントが理由で離職した人が全国で86万人。
全就業者の34.6%が過去職場で、ハラスメントを受けた経験があると回答しています。
ハラスメントがまん延しているんですかね
人ごととは言えんかも……
なぜ放任問題が出てきたか
一方で、ハラスメント研修を提供するダイヤモンド・コンサルティングオフィスという会社があります。
そちらによる2021年の調査では3人以上の部下を持つ管理職の83%が部下への発言を躊躇したことがあると回答。
多いですね
さらに、部下とはなるべく関わらないようにしようという気持ちになった事がある41%。
ヘタに何か言ってハラスメントだと言われるのは嫌だもんな
そこでパワハラの定義
①優越的な上司の立場を利用する
②業務上の必要性の範囲を超えて𠮟責したりする
③その結果、働いている当人の職場環境を害する
この3つ全て満たすとパワハラになるそうです。
じゃあ業務上の範囲はどこまでか?職場の環境をどれほど害したか?
どこまでがNGで、どこまでがOKか分からない
このような事で部下とのコミュニケーションに自信が持てなくなる。
発言に躊躇
距離をとる 放任上司に。って感じやな企業にとっての問題
放任上司は、企業にとってもマイナスです。
上司が部下に明確な指示を出したり、ダメ出しができなくなれば、組織が円滑に回らなくなるばかりか、部下の成長も抑制されてしまいます。
実際に、上司からのフィードバックが少ないと感じている部下ほど、成長実感が低いという調査結果もあります。
人材育成には、かなり影響がありそうですね
放任でパワハラが増加?
放任上司がいる部署では、逆にパワハラが4倍に増えてしまう。という調査結果もあるそうです。
例えば、放任上司の下に部下Aとその先輩の部下Bがいたとします。
その先輩の部下Bが、仕事ができる自分をアピールしたいタイプの場合、BはAに対して色んなダメ出しをしたり、無理な指示をしたりして、どんどんパワハラが進んでしまうリスクがある。
本来、上司がパワハラ傾向があるBを注意や指導をすべきだが、放任してしまうとBがエスカレートして、その結果、パワハラが横行し職場環境を悪化させてしまう。
上司がパワハラを恐れるあまり、パワハラをまん延させてしまう現象が起こる。
厄介やな~
パワハラ研修にも変化
これを受けて、パワハラ研修に放任問題も盛り込まれ始めました。
神奈川県相模原市の管理職向けの研修で、決断や判断を避ける上司がいる場合の悪影響を伝える内容を盛り込みました。
さらに、以前パワハラ問題が起こった大阪の消防署も、ハラスメント対策の中に放任上司のリスクについて盛り込むことになりました。
しかし現在、放任上司のマイナス影響を認識していない職場も少なくないそうです。
パーソル総合研究所は放任上司の問題について、
ハラスメントが社会問題化したこの数十年代、管理職向けの研修で重宝がられてきたのは、なにがNGかを伝授するハラスメント対策でした。
その結果、壮絶な副作用で放任主義の管理職が増えてしまった。
あれも、これもNG。もしかしてこれもNGですよ。という対策で、グレーゾーンも踏み込めなくなったのではないか。
だったら全部やらない方がいい。って訳やな
加えて日本企業には、年功序列の慣習があって一定の年齢や役職になるとリーダーシップトレーニングを受けずに部下を持たされる。
部下との関わり方について、そもそもよく分からない。
結果としてハラスメントが怖いので、放任上司になってしまうという事も。
いまだに多い上司のパワハラ
リクルートマネジメントソリューションズによると、社員の3割強が上司からの管理過剰を感じているそうです。
息苦しさを感じる34.7%、上司からの管理が煩わしいが35.9%。
細かな指示や口出し、就業後や休日の連絡、業務を理解していないのに管理、介入してくるといった意見もある。
どこまでが適切な管理なのか……難しいですよね
色んな意味で、板挟みになっている今の中間管理職の難しさが象徴されている。
涙の中間管理職……
厚労省の実態調査では、パワハラ行為の7割が上司なので、この問題も相変わらずあるそうです。
部下の個性を調整して…信頼関係を築きつつ……うまくバランスを取って……
難しい~!
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