令和の今、これまでとは違ったホラーブームがきています。
恐怖や戦慄を意味するホラー。広く捉えると怪談、小説、映画、漫画、ゲームなど様々なジャンルがあります。
どんな作品が支持されていて、どんな怖さがあるのか。
作家の吉田悠軌(よしだ・ゆうき)さんがラジオでお話しされていたので、
その事についてザックリお話しします。
今のホラーブームの特徴
ここ2、3年で盛り上がっているのは、フェイクドキュメンタリーという形式のホラー作品。
ドキュメンタリーは本来、真実や事実を伝えること。フェイクは嘘。
言葉としては相反しますね
作家がフェイクとして創作したものをドキュメンタリー形式で見せていくものだそう。
色んなジャンルがあり、書籍だけでなくテレビや映画など様々。
筆頭作は『近畿地方のある場所について』という書籍。
あらすじは、雑誌記者の友人が失踪した為、情報提供を募ることに。その友人は『近畿地方のある場所について』というタイトルで作品をまとめている最中で、情報を集めていた。
雑誌や新聞記事、ネットの匿名掲示板、関係者へのインタビューなど、 時期や出展元などバラバラなのだが、情報を集めるうち、それらが繋がっていき、とある存在が浮かび上がってくる。
ジワジワとくる怖さがあるみたいやな
1993年のとある月刊誌に載った記事とあるが、作家が書いた記事で本当の記事ではない。
とにかくリアルでフェイクと思えない!
もともとフェイクドキュメンタリーは映像作品が始まりとされ、1960~70年代ぐらいから作られていて、ここ2、3年、小説のようなフェイクドキュメンタリーが大ヒットしている。
他には、こんな作品もあるで
変な家……購入を検討している都内の中古一軒家。ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に『謎の空間』が存在していた。不可解な間取りの真相は?突如消えた『元住人』は一体何者なのか。
映画化しましたね
かわいそ笑……インターネット上にある多くの怪談。その中に何故か特定の『あの子』が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラー。浮かび上がってくる『ネット怪談の裏側の物語』とは。
本を早く手放したいというレビューがあったで……
これまでのホラーとは怖さの「質」が違う
これまでは、ゾンビや幽霊など得体のしれないモノに対する怖さでした。
モンスター的なものに命を狙われるとかですね
しかし、今ブームのホラーはリアルな日常が舞台になっていて、段々と自分たちの日常が侵食されていき、変質していく恐怖なんだそう。
本当と嘘の境界線やな
フェイクドキュメンタリーがなぜうけるのか?
フェイクドキュメンタリーがうけている背景は、インターネットの影響が大きいと思われます。
ネット怪談のネイティブ世代が、2020年代に入ってフェイクドキュメンタリー形式の作品を次々に生み出しているんだとか。
2000年代にネット怪談が流行したんだよね
この時はフェイクでなく体験談としての話やったな
フェイクが怖さを半減させるのでは?
フェイクであることを求めている人は多い。ただ手触りとして非常にリアルで生々しい恐怖もほしい。
しかし、最終的にはフェイク(フィクション)であってほしい。
なんかよう分からんな……
これは、安定を求める現代社会を象徴しているのではないかと思われます。
今の社会と関係があるか?
フェイクドキュメンタリーのホラーは昔からあるが、ここまでブームになるのは特殊なんだそう。
近年の陰謀論やフェイクニュースが政治的、社会的に大きな影響力をもっていて、心の中の言語化できない不安を再認識することで不安が和らぐのでは。
この時代の特徴ですかね
また、嘘が本当か分からない大きなものに巻き込まれるような不安を、ちゃんと嘘だと確定したもので解消したいという事もいえるのではないでしょうか。
不安がホラーブームを起こす?
過去の様々な出来事で多くの人が不安になった時、ホラーブームがあったそうです。
1970年代のオカルトブームは、高度経済成長期が一息ついてオイルショックで不況になった時。
90年代から日本はバブル崩壊もあり、ずっと不況なので、ホラー文化が受け入れられ続けているのではないかという事でした。
ホラーは無くならないような気がする……
怖いもの見たさは人間の本能かも……
■吉田悠軌さん X ▶https://x.com/yoshidakaityou?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
■Nラジホームページ▶https://www.nhk.jp/p/nradi/rs/X7R2P2PW5P/
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