原動機付自転車と呼ばれる総排気量50㏄以下のバイク。
『原付』ですね
通勤、通学、買い物など様々な場面で生活の移動手段として長年親しまれてきました。
しかしこの原付バイクについて、バイクメーカー各社は、国内での生産を終了する見通しとなりました。
その事についてザックリお話しします。
生産終了の理由
原付といえば、手軽さや燃費の良さもあって根強いニーズがあると思うんだけど……
国内生産の中止は、2025年11月以降に排気ガス規制が強化されることに伴うものとされています。
ただ通常のバイクや車に乗り換えようにも、様々な事情で利用しにくい人もいると思います。
そうした方には今後、原付バイクがどうなっていくのか、生活のための移動手段はどうなるのか、気になるでしょう。
原付バイクの出荷台数は、国内で1982年に278万台を記録していたのですが、その後、景気の低迷や若者を中心とした『バイク離れ』を背景に年々落ち込んでいます。
2023年は9万台と大きく減少。
スゴイ落ち込みやな~
そうした状況に排ガス規制が追い打ちとなったんだね
排ガス規制の強化はこれまで、度々行われてきたんですが、これまではメーカーが排ガスを浄化する技術の向上などで対応してきました。
しかし、新しい排ガス規制をクリアするには、エンジンの設計そのものを見直す必要があるそうです。
そこで国内で原付バイクの生産を続けているホンダとスズキは、生産を終了する方針としました。
これ以上、技術の向上などで対応するのが難しいということや、
新規制に対応したエンジンを新たに開発することも難しいとのこと。
原付バイクの市場自体が大幅に縮小している中、新たな技術投資をしても採算が合わないと判断したようです。
メーカー側の関係者は、身近な乗り物として残したかったが、収益性を考えるとやもえない選択だったということです。
原付バイクの電動化
マーケットが非常に小さくなったって言うけど……
最近でも原付バイクよく見るけどな~
今、国内ではどのくらい原付バイクが残っているのか。
販売台数は減少していますが、現在、全国で430万台あまりが保有されています。
ユーザーそのものは、まだ多いということで、原付バイクを完全になくすというのは難しい。
メーカー側も、生活の移動手段として一定のニーズがあるとして、
今後、原付バイクの電動化を進めようとしています。
自動車に続いて、原付バイクも電動化か~
実際、原付バイク市場で、およそ5割のシェアを持つホンダは2023年8月にモーターで走行する電動バイクを発売しました。
該当ページ▶https://global.honda/jp/news/2023/2230519-em1e.html
これは持ち運びができるバッテリーを使う方式で、1回の充電で約53㎞走行できるそうです。
今までの原付バイクと比べてかなり短いな~
通常の原付バイクなら1回の給油で約300㎞以上、走行できるのでそれと比べるとかなり短いですが、
バッテリーを交換することで、充電の待ち時間なしで走り続けることができるそうです。
ホンダではこの車種を含めて、これまでに4車種の電動バイクを市場に投入していて、今後もラインナップを増やしていく方針です。
値段はどうかな~
今の原付バイクと比べると15万円ほど高くなるそうです。
やっぱりな
走行距離も短いので普及はなかなか進んでいません。
メーカーは今後、生産台数を増やすことでコスト削減し、価格を下げたいとしています。
その一環で、2025年に同じバイクメーカーのヤマハ発動機に電動バイク2車種を供給するとのこと。
スズキの新製品
スズキも新たな電動2輪車を開発しています。
2024年9月、報道機関に公開したのが『原付免許で運転できる電動モペット』と呼ばれるモーターとペダルが付いた折りたたみ式の2輪車です。
該当ページ▶https://www.suzuki.co.jp/release/b/2024/0529/
電動アシスト自転車の高性能版ですね
法律的には、原付バイクなのでミラーやウィンカーも付いています。
運転するには原付免許も必要になります。
メーカー側は、今後、世界的なカーボンニュートラルの流れは変えられないので、
原付バイクに乗っている人や、これから乗る予定のある方にアピールしていきたいとしています。
免許不要の特定小型原付も
特定小型原付では、新興企業フューチャーが8月、電動バイク『フューチャーボード2』を発売しました。
オシャレなデザインやな~
キックボードとは違い、発進時に蹴る必要がなく、サドルに座って乗ります。
最高速度は時速20㎞で、1回の充電で約100㎞走行可能。
Futureホームページ▶https://www.futuremobility.fun/home
普及への課題
自動車の電動化では、充電施設などのインフラ整備が追い付いていないのが普及の課題となっていますが、
電動バイクの普及については、各社連携をはかる動きがあります。
ホンダ、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業の4社は、バッテリーの規格を統一して、交換式とすることに合意しています。
さらに4社では、2022年に石油元売り大手と連携して東京や大阪などのガソリンスタンドで、
電動バイクのバッテリーを交換できる拠点の整備を進めています。
また、電動バイクの普及には、価格面や走行距離でも多くの課題があります。
日本自動車工業会が、2023年度にバイクユーザーを対象に行った調査では、電動バイクの購入を検討する為の条件として、購入価格が安くなるが最も多い61%、走行距離が長くなるが50%でした。
やっぱり価格だよねー
自動車のEV化につては、既に中国のメーカーが価格の安さを武器にして世界進出を本格化させています。
中国のBYDやな
日本市場にも本格的に参入しています
これに続いてバイクの分野でも中国メーカーとの競争が始まろうとしています。
例えば、中国のバイクメーカー『YADEA』は、2025年夏に日本で原付バイククラスの電動バイクを発売すると発表しました。
価格は、10万円程度と電動アシスト自転車より安い。
スゴイ!
日本メーカーにとって強力なライバルとなる可能性があります。
恐るべし中国メーカー
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